用具屋さん

街の銭湯には、石鹸やヒゲ剃りなど入浴時に必要な物を売っています。
それらを販売する商店を用具屋さんと呼んでいました。

特にヒゲ剃りは、1・2回の使い捨てタイプが5種類ほど売っていて、皆さんの好みに合わせて選ぶことができます。
馴染みの方には、顔を見て「いつものですね。」とヒゲ剃りを渡しておりました。   

用具屋さんは、月に二度回って来てくれます。用具屋さんは、お風呂場の掃除用のブラシや、洗剤など、お店に必要な品物は何でも持って来てくれます。ですから、銭湯とは切り離せない存在でもあります。

その頃はコンビニなども少なかったので、お客さんは銭湯で商品を買うことがとても多かったのです。ですから、用具屋さんもとても忙しかったようです。

用具屋さんは、とても細かい金額を電卓で計算し、「通い帳」という帳面に手書きで記帳しておりました。最初の消費税が導入された時には、一層仕事が増えたと思いました。

関東近郊の銭湯をやること約半世紀。全部で4軒のお店を渡り歩いて来ましたが、最後は20年間腰を据えて、町の変わりゆくのを番台から眺めておりました。 ブログは主に女将が担当しております。子供は3人。