ケロリンの桶

銭湯の桶と言えば、黄色でちょっと重くて、底に「ケロリン」と書かれたものが知られています。

なぜ「ケロリン」なのか、ご存知の方もいらっしゃると思いますが、「ケロリン」とは頭痛薬の名前です。広告入りの桶ということです。丈夫で耐久性があって、銭湯に置かれていることで有名です。

夜、お店を閉めた後に、掃除をしますが、その際に、桶を男女それぞれ2本に積み上げます。そうして桶の数を数えます。桶は、カランの数と同じか1つ多いか位に、セットしてます。

もし数が足りなければ、捜します。大抵、庭近くの縁側や、露天風呂に置いてあります。ロッカーの中から出てくることもあります。

でもどんなに捜しても見つからないときもあります。誰かがうっかり持って帰ってしまうのか、たいてい2〜3日経つと、何故か桶の数は元に戻っています。

(たまーにですが、次来た時に、『間違えて持って帰ってしまいました』と番台の私に渡してくれる人もいました。)

関東近郊の銭湯をやること約半世紀。全部で4軒のお店を渡り歩いて来ましたが、最後は20年間腰を据えて、町の変わりゆくのを番台から眺めておりました。 ブログは主に女将が担当しております。子供は3人。