ちょっとした事件簿 その5

ある日の夜。
いつももの静かな、ちょっと奥様風の方。

入浴も終わり、帰りに下駄箱へ行き、下駄箱の鍵を開けると、ビックリ。
履いてきた靴がそこにありません。

「誰かに盗られたみたい・・・。」と、とても驚いた様子でカウンターにやって来ました。

店の者として、一緒に消えた靴を店中探すこと、およそ5分。

最後に下駄箱へ行ったら、奥様の靴は、ちゃんと靴箱に入っていました。

鍵を取った靴箱の、その隣の靴箱に。ですが。

(奥様、ちゃんと自分が入れた靴箱の鍵を取って下さいね。とはいえ、結構こういうことあるもんです)

と、ここまで書いて思いましたが、風呂屋は鍵にまつわるハプニングが多いかもしれませんね。現場に立ち合う者としては、見つかるかどうか、ドキドキものなんですけれども。

関東近郊の銭湯をやること約半世紀。全部で4軒のお店を渡り歩いて来ましたが、最後は20年間腰を据えて、町の変わりゆくのを番台から眺めておりました。 ブログは主に女将が担当しております。子供は3人。