脱衣場から見ると、浴槽の向こう側の壁に描かれている手描きのペンキ絵。富士山をイメージする人が多いですね。
背景画屋さんはお店に着くと、まず浴槽の上に足場を組みます。そして、準備ができると絵を描き始めます。
私が印象に残っているのは、背景画屋さんが、いきなり元の絵の空の部分に、緑色のペンキで5か所ほど各々離れた位置に塗ったことです。その後、またおもむろに茶色のペンキを塗りました。下書きのようなものはありません。
それから、二時間もしないうちに、大きな背景画は別の絵として完成しました。松島の風景ということで、絵の下の隅に書いてありました。
背景画屋さんが言うには、何枚も自分の描ける絵があって、描くときに決めるそうです。あの大きな絵を、下書き無しで、いきなり本番です。そして男側と女側で、2枚の絵を仕上げていきました。
これだけ大きな変化ではあるのですが、なぜだか、お客さんで背景画が変わったことに気づいて、店のものに言う人はほとんどいません。ペンキの匂いで気づく人がいたかもしれませんが。