お風呂から上がって、体が温まり、そして喉が渇いてくると何か飲みたくなりますよね。
そういう時の飲み物はとても美味しいですよね。お客さんのために、お店では冷たい飲み物を用意してあります。
まだ、自動販売機を置いてる銭湯がほとんど無かった時代。
俗に言う「銭湯でお風呂上がりにビン入りコーヒー牛乳」という光景も、よく見られました。
お店には、牛乳屋さんが配達してくれる、牛乳瓶入りの牛乳、コーヒー牛乳、ジュース類もありました。
その他に、フタが王冠のジュースです。
これはあまり種類が無く、コーヒー牛乳風味のものと、オレンジジュース風味のものの2種類でした。
フタが王冠なので、開ける時には栓抜きが必要です。
お風呂上がりに、牛乳瓶タイプの飲み物を飲む事を卒業した子達は、次に王冠タイプのジュースに移っているようでした。
王冠を傷つけないようにして開け、王冠をコレクションしている子達もいました。
このタイプのビンは、今でもたまに見かけますね。ビール瓶の小さいような形です。
お店のは業務用の冷蔵庫ですし、かなり冷たく冷やされてます。冷たくて、飲むとかき氷のように、こめかみと頭のてっぺんがキーンと来て、風呂上がりにはたまりません。
ある夏の暑い日。
いつもの馴染みの近所のおじさんが、夕方早くにやって来て、「ジュース1本ね」とジュース代を番台に置きます。
冷蔵庫から、王冠タイプのジュース、コーヒー牛乳風味のものを取り出して、王冠を栓抜きで引き抜き、グイッと一気に飲み干しました!
「ひえーよく冷えてるね‼︎」と言って、そのまま帰って行きました。(お風呂じゃなかったようです。)