温泉屋さん

ある日の夕方のことです。
家族連れでやって来たお客さん。最後に入ってきた小学生の男の子、3年生くらいかな。どうも初めて銭湯にきた感じです。

カウンターの前に来た時、「いらっしゃいませー。」と私が言うと、
「ここは温泉なの?おばさんちは『温泉屋さん』なの?」とその子が聞きます。

子供達からは、色々と質問されたりするけれど、これは今までと違う新しい質問だなあ、現代風だなあと思いました。

新しい質問に戸惑ってか、「ここは温泉ではないけれど、温泉みたいなところかな。」と答えになってるかなってないか、わからないような返事を返したのでした。

「温泉屋さん」と言ったその言葉に、妙に暖かいものを感じて嬉しかったです。

(その昔、銭湯が生活の一部であった頃には、思いもよらない問いでした。「銭湯」もいいけど、「温泉」の方が楽しみに来ている感じがしましたね。若い人はそんなこと無いのかな?)

関東近郊の銭湯をやること約半世紀。全部で4軒のお店を渡り歩いて来ましたが、最後は20年間腰を据えて、町の変わりゆくのを番台から眺めておりました。 ブログは主に女将が担当しております。子供は3人。