番台からカウンターに

銭湯もリフォームして、内装や設備を新しくしますが、これを風呂屋の業界では「普請(ふしん)」といいます。

普請の前と後で、分かりやすい違いは、番台をカウンターにしたお店がとても多いということです。

かつて銭湯といえば、「番台」。
玄関で男女に分かれて脱衣場に入ると、男女の境側に、1メートル位の高さの所に店の者が、”浴室に向かって”座っています。
その場所を「番台」といいます。
お客さんはそこで料金を払って入浴します。

カウンターというのは、玄関から見える位置にあり、”入口に向かって”店の者がいます。
お客さんはそこで料金を払って、男女に分かれて脱衣場に入ります。

番台があった時のお店は自然とアットホーム的な雰囲気を醸し出しているように感じました。
店の者とお客さんの気持ちの距離も近い感じがしました。
その街のお風呂屋、ですね。

一方、カウンターの銭湯は、近代的で機能的なお風呂屋という感じがします。
アットホーム感は少々減ったようです。

カウンターに居ると、お客さんが銭湯にやって来る様子が見えます。
多くのお客さんは銭湯目指して嬉しそうにやって来ます。
それは、(入口と逆を向いている)番台では分からなかったことです。

関東近郊の銭湯をやること約半世紀。全部で4軒のお店を渡り歩いて来ましたが、最後は20年間腰を据えて、町の変わりゆくのを番台から眺めておりました。 ブログは主に女将が担当しております。子供は3人。