「ロッカーの鍵をなくしてしまいました。」というお客さんからの申し出は、結構よくあります。こういう時は、店の者が一緒に探します。そして、ほぼ100%見つかります。
ある日のこと。
入浴を終えた中年男性。帰ろうとしたところ、下駄箱の鍵がないことに気がついて、カウンターに戻ってきました。
下駄箱の鍵なので、木製で、数字が大きく「5」とか書いてある札のタイプです。手のひら程の大きいサイズですね。
それで、店の者が一緒に、鍵がありそうなところを探しましたが、出てきません。ロッカーの中や、脱衣場の物陰、洗面器の中とか。やはり出てきません。
しかし、下駄箱の番号は覚えているとのこと。
そこで、風呂屋の親父さんが、入浴中の人にひとりひとり、下駄箱は何番を使ったか聞いて回りました。
すると、なぜかその同じ番号を使った人がもう一人、見つかりました。
その人から鍵を預かり、下駄箱を開けると、サンダルとスニーカーが、重なって入ってたということです。
(ある人がスニーカーを入れ、鍵を取り忘れて店に入る
→後から来た人が、中に入っているとはつゆ知らず、上からサンダルを入れ
鍵を取ったんですね。
でもこういうことは意外とよくあります。)