撮影現場の銭湯

私が初めて、うちの店でテレビドラマの撮影をするのを見たのは、今から40年程前でした。

あれは、その時の新番組で、子供向けのスポーツドラマ。小学生の男の子が主人公の話でした。「主人公の男の子が、夕方銭湯にいるお父さんを呼びに、お風呂場に来る」という一場面の撮影でした。

お店の中で撮影をする時は、お客さんのいない、休業日になります。明るい時間に撮影することが多いので、夕方開店のいつもより早い時間から、お湯を沸かす等、通常と同じ開店準備を始めます。

でも、撮影は男湯だけです(当たり前ですね)。その時、女湯側は撮影の更衣室として使われることが多いですかね。

風呂の準備が終わる頃、撮影のスタッフさん達が多勢でいらっしゃいます。撮影そのものは短い時間です。

その次の撮影は、映画のワンシーンでした。
銭湯の入口の、のれんの前での撮影でした。近所の人には内緒にしていたのですが、外での撮影ということと、有名な俳優さんが出演するというので、結構多数の人が見に集まって来ていました。

撮影をしていく中で、俳優さんの他に誰か人がいた方がいいという話になり、撮影を見に来ていた幼稚園の女の子が急遽通行人に抜擢されていました。

そういえば、かつて義父も、湯船での映画撮影中に、他にお客さんがいた方がいいということで、某俳優さんと同じ湯船に入っているお年寄り、という設定で映ったこともありました。

関東近郊の銭湯をやること約半世紀。全部で4軒のお店を渡り歩いて来ましたが、最後は20年間腰を据えて、町の変わりゆくのを番台から眺めておりました。 ブログは主に女将が担当しております。子供は3人。