3.11の銭湯

あの日は営業日でした。
湯船にお湯を張って、お店開けの準備もだいぶ進んでいました。

突然、ケータイの緊急地震速報が流れました。私はお店にいましたから、どこへ避難するのが一番安全かと考えました。

そうこうしている間に、大きな揺れが始まり、次の瞬間、前後に浴槽が動いた!と思った時、ザバーンと浴槽のお湯が波のように、そして、流し場のタイルに叩きつけて、大量に流れ出ました。

それはたった1回ですが、浴槽のお湯は10cm以上も減っていました。このような景色は、銭湯をうん十年やっていて、今まだかつて見たことがありませんでした。

私たちの店やその周辺では、大きなトラブルは何もなく、通常通り、お店は開けられました。小さなことではありますが、この地震の大きさを目の当たりにしました。

関東近郊の銭湯をやること約半世紀。全部で4軒のお店を渡り歩いて来ましたが、最後は20年間腰を据えて、町の変わりゆくのを番台から眺めておりました。 ブログは主に女将が担当しております。子供は3人。