◯◯温泉などで知られている「湯もみ」ですが、実はうちのお店でも行っていました。
開店の準備の際に、湯船(浴槽)にお湯を張るのですが、そのお湯は90℃くらいで、湯船に付けてある「うめ水」も全開にして、同時に入れていきます。
ところが、それだけでは、湯船のお湯の温度が場所によってムラが出てしまい、どうしても上部が熱く、下部がぬるくなってしまします。お湯を攪拌する装置もついていますが、それだけではかなり時間がかかるのです。
そこで登場するのが、幅20cm、長さ170cm、厚さ2cmほどの板です。湯船に板の先を斜めに入れて、持ち手の方を湯船のふちに掛けて、そこを支点に、テコの原理的に板を回しながら、(重い)お湯を攪拌します。(お湯を湯船の底から攪拌するので、大変重く、男手でないと出来ないレベルです。)
聞くところによると、湯もみの作業は昔から行われていたそうです。
今、多くの銭湯では、お風呂の蓋はビニール製のようですが、その昔は湯船に木の板を並べて蓋をしていました。男女それぞれ20枚ずつ。その中の一枚を湯もみをする時に使っていました。
うちの場合、湯もみの作業は、直に温度を確認するためにも、開店直前の仕上げにやる作業でした。ですから、お客さんが湯もみを見ることはまずありません。
稀に、とても混んだり、湯船のお水で埋めすぎてぬるくなった時には、急遽お湯を入れて、湯もみをお披露目したこともありました。銭湯に来て、湯もみが見られたお客さんはラッキーでしたね!